住宅の施工を工務店に依頼するメリットとはどのような点？

 

一戸建て新築の注文住宅の設計や施工を依頼する際、工務店という選択肢もあります。
古くから家づくりの専門家として地元に信頼されている工務店に、現代でも施工を依頼するメリットはあるのでしょうか。

 

今回は、工務店に住宅の施工を依頼するメリットについて解説します。

 

工務店のメリット3選

工務店には3つのメリットが挙げられます。

・コストの安さ
・設計の自由度
・地域密着サービス

 

これらについてみていきましょう。

 

コストの安さ

まず、ほかの建設業の会社に住宅を依頼するより安価なコストで建設ができる点が挙げられます。建設会社やハウスメーカーは広域の営業エリアなので、さかんに広告を展開して資金を投入していることがほとんどです。

 

そのため、広告費用を住宅の建設費用に上乗せしているケースが多くあります。

 

また、営業エリアが広い分、営業所などの維持コストも発生し、依頼をするとどうしてもそのためのコストもかかってしまうのが事実です。

 

一方、工務店の場合は広告費もそこまでかけていることはなく、営業所も本店だけの場合がほとんどなので、人件費や固定費も大きくはありません。

 

このように発生する費用が大きくならない分、より安く一戸建てを建設できます。

 

また、工務店は地元の金融機関と良好な関係を築いていることが少なくありません。

 

そのため、住宅ローンについて相談をすると、金利を少し下げてくれたり、審査が通りやすくなったりと有利な条件で話を進めてくれるケースも見られます。

 

このように住宅を建てる際のコストが下げられる点もメリットといえるでしょう。

 

設計の自由度：膝を突き合わせて話ができる

設計の自由度が高いのも工務店のメリットです。工務店では、依頼した方の細かい要望にも応じてくれやすい環境にあります。

 

しかも現場で作業を行う大工さんも交えて会話ができるので、プランについても、より具体的かつ現実的な相談ができるのがメリットです。

 

近隣の工務店を利用すれば、相談が容易な点もポイントといえるでしょう。

 

さらに施行中も追加や仕様変更をするのに柔軟な対応がしやすく、実際の状況に合わせて工事の変更にも応じてくれる場合があります。
ここまで柔軟に対応できるのは工務店だけといっても過言ではありません。

 

地域密着サービスが充実

工務店は地域に密着しているのも特徴です。
そのため、何かあってもすぐに対応してくれるのもメリットです。

 

たとえば、新築住宅を受け取ってすぐに、何らかの不具合があった場合、連絡をすればすぐに対応してくれる場合が多いです。
これは、近くに拠点を持っている地域密着の工務店ならではのメリットといえるでしょう。

 

一方で、工務店によっては土地取得の融通も行ってくれる場合があります。
工務店は、金融機関以外に不動産会社とも親密なケースが見られます

 

また、土地勘もあるため、不動産の情報に詳しい場合も少なくありません。
その情報力を活かして、希望に合った土地を探してくれることもあります。

 

これもエリアに詳しい工務店だからこそできることです。

 

工務店の注意点も紹介

工務店にはメリットが多くある一方で、注意点もあります。注意点を知っておくことで、より工務店の魅力がわかるはずです。

 

工務店の注意点は、次のとおりです。

・工務店によって差がある
・具体的なイメージがつかみにくい
・完成に時間がかかる

 

工務店によって差がある

工務店によって差があるのは、技術面と保証面の両方でいえることです。
まず、技術面としては、技術の吸収に積極的なところと、そうでないところがあります。

 

技術の高いところは、こちらの希望する要求にも十分応えられる再現力を持っています。

 

一方で、工務店によっては旧来の家しか建てられないといったところもあり、依頼したら再現できないと断られたり、大幅な変更を求められたりといったことも珍しくありません。

 

実績が豊富な工務店かどうか、インターネットなどで事前に確認しておきましょう。

 

保証面は、住宅完成保証制度に登録している工務店かどうかという点が重要になります。

 

この制度は、万が一工務店が倒産したり、工事ができなくなった場合、住宅保証機構が別の業者を紹介したり、契約金の支払いを建築の進行状況に合わせて支払ってくれたりするものです。

 

住宅完成保証制度に入っている工務店であれば、万が一の状況になってもスムーズな施工を実現してくれるでしょう。

 

具体的なイメージが掴みにくい

ハウスメーカーであれば住宅展示場や実際に住んでいる方への訪問、完成したばかりの住宅の見学会などができます。
この見学会を利用することで、実際にどのような住宅が建てられるのかイメージしやすいのが特徴です。

 

一方、工務店の場合はすべてが一点物なので、一つとして同じ、あるいは類似の住宅がないケースも珍しくありません。

 

実際に住んでいる方の家を訪問できるサービスや見学会のサービスもない場合がほとんどのため、完成してからでないとどのような家になるかわからないということも注意しておきましょう。

 

完成に時間がかかる

工務店の建物は一から作っていくことがほとんどです。
そのため、着工から完成までに時間がかかり、場合によっては4～6ヶ月程度かかるケースも珍しくありません。

 

これは工場などであらかじめ組み立てられた住宅を現地で組み上げるハウスメーカーに比べて手間がかかるためであり、場合によってはハウスメーカーの2倍以上の時間がかかることもあります。

 

そのため、仮住まいの家に長い期間住むといったことを強いられる可能性もあることをあらかじめ知っておきましょう。

 

もちろん、それだけオリジナリティのある住宅が手に入るので、そのための時間だと思って対応するのがおすすめです。

 

まとめ

工務店に依頼するメリットは、施工の価格が安いといったコスト面のほか、今回紹介したような自由度があります。

 

また、しっかりとコミュニケーションを取りやすい環境が用意されていることから、こだわりについても十分相談できるのもポイントといえるでしょう。

 

コストや工事の自由度以外にも、土地取得や資金調達に対して融通が利きやすい点も注目のメリットです。
もし、新築住宅を検討していたら、工務店のメリットにも注目して施工の依頼を検討してみることがおすすめです。